長嶺校区の
徘徊模擬訓練をクローズアップ!

認知症になっても、
安心して暮らせる

まちづくりを目指して

認知症は特別なことではありません。
認知症になっても住み慣れた場所で暮らし続けるため、地域全体で見守り支え合う「徘徊模擬訓練」に取り組む東区の長嶺校区。
今年4回目の実施を迎えるに当たり、事務局を務めるささえりあ託麻の管理者 長島日出子さんに話をうかがいました。

熊本市高齢者支援センター
ささえりあ託麻
管理者
長島 日出子さん

住民の声を
きっかけにスタート

 長嶺校区では、2015年から徘徊模擬訓練が毎年行われており、これまで3回実施されています。きっかけは住民の声でした。

 同校区内の認知症の相談件数が増加の傾向にあり、認知症がより身近な問題となりつつあった頃、「認知症のことを校区全体で勉強したい」「徘徊模擬訓練を受けてみたい」と声が上がりました。

 ささえりあ託麻を事務局に実行委員会が発足。毎月1回、自治会を中心に、民生委員、福祉施設、老人会、警察、PTA、区役所などが主体となって動き出しました。9月と10月には、認知症について理解を深め、徘徊模擬訓練を通した地域づくりを学ぶ研修会を、住民を対象に2回実施。11月、第1回目の徘徊模擬訓練が行われました。

徘徊模擬訓練って
どんなことをするの?

長嶺校区では、行き先がわからなくなって困っているような人を見かけた際、どのような声かけをしたらいいのかなどを学んでいます。

対応のポイント

  • 驚かせない
  • 急がせない
  • 自尊心を傷つけない
望ましい
声かけの
方法
  • ゆっくりと近づき、
    相手の視野に入って話しかける
  • ひとつずつ話しかける
  • 土地の言葉(方言など)を使う
  • しゃがむなどして、目線を合わせる
  • 答えをゆっくりと待つ

例えば…何かお困りでしょうか?大丈夫ですか?私はすぐそこの◯◯ですが、どちらからいらっしゃいましたか?どこへ行かれますか?少し休んで行かれませんか?など

ゆっくりと歩きながら優しく声をかけ、休憩されるように促してみるのも良い方法です。

NGな
声かけの
方法
  • 近づきすぎる
  • 急に後ろから声をかけたり、
    大声で怒鳴るように声をかける
  • 数人で取り囲む
  • 急に腕をつかんだり、体に触れる
  • 矢継ぎ早に質問をする
  • 上から見下ろすように話しかける

子どもは1人で声をかけず、親や先生、近くにいる大人などに相談すること!

「声をかけるのが難しい」から
「普段からの声かけ」に

 長嶺校区では、回を追うごとに、「認知症徘徊模擬訓練を行っている地域なんだ」という認識が住民の間に強まり、「普段からの住居同士のつながりって必要だ」との声も。さらに昨年は、新しい試みとして長嶺小学校の6年生が「認知症サポーター養成講座」を受講。認知症に対する正しい知識を学び理解することで、地域の認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けし、あたたかく見守り応援することの大切さを学びました。

見えてきたメリットと
今後の課題

 徘徊模擬訓練には、毎年120〜130人の校区の住民が参加。恒例のイベントとして定着しつつあり、住民同士が集いコミュニケーションをとる機会にもなっています。「地域間でのつながりができた」「認知症のことを知るきっかけになった」「認知症の方への声かけの仕方が分かった」など、認知症を身近な問題として考え、仲間を誘い、自分にできることから始める取り組みが広まっています。

 一方、課題も見えてきました。徘徊模擬訓練への参加に若い世代や新しい方の参加が少ないこと、地域全体で見守り支援のネットワークづくりが必要であること、実際の認知症の人やその家族と活動がリンクしていくことなど…。第1回目が終了した後、携わった人たちが徘徊模擬訓練の必要性、重要性を感じたからこそ続いている活動です。校区の住民みんなが同じ思いになることを目指し、取り組みが今後も続きます。

取 材 協 力
熊本市高齢者支援センター 
ささえりあ託麻
   
☎096-380-7078
熊本市東区戸島2丁目3-15  
E-mail:higashi3-takuma@seijinkai-net.jp