「感染症」の
正しい知識と対策で
発症と重症化を予防
自治体からの補助も活用して

非常に強い感染力で毎年猛威を振るう「インフルエンザ」、日本人の死因第3位となっている「肺炎」、
世界人口の約4分の1が感染している「結核」。
「自分は大丈夫」という思い込みで予防を怠り、感染症にかかったり重症化したりする高齢者が増えて
いるそうです。熊本市保健所の感染症対策課に対策を伺いました。

インフルエンザを
ワクチン接種で予防

 インフルエンザは、飛沫感染や接触感染で「インフルエンザウイルス」が体内に入り込んで発症します。特徴としては、38℃以上の発熱やせき、のどの痛み、倦怠感や関節の痛みなどの全身症状が挙げられます。特に、高齢者や子ども、妊婦、慢性疾患を持つ方などは重症化しやすいので注意が必要です。

 インフルエンザの予防・重症化を防ぐには、ワクチン接種が重要です。ワクチン接種を受けた高齢者は、接取しなかった場合に比べて、死亡の危険が約5分の1に、入院の危険が約3分の1から2分の1にまで減少することが期待できるといわれています。熊本市では、接種日現在で65歳以上の方(65歳未満でも条件により対象者あり)を対象に、インフルエンザのワクチン接種費用の助成が行われています。これにより、10月~翌年1月まで1,500円の自己負担(生活保護または市民税非課税世帯の方は証明書類があれば無料)でワクチン接種が受けられます。保険証や運転免許証など、対象であることの確認・証明ができるものを持参して指定医療機関で接種してください。

手洗い&咳エチケットで
感染拡大を防ぐ

 エレベーターのボタンを押したり、階段の手すりをつかんだりと、普段の生活の中でウイルスに感染する機会はたくさんあります。それを防ぐためには、こまめな手洗いが大切です。外出先からの帰宅時や調理・食事の前後など、手洗いで付着したウイルスを洗い流しましょう。30秒間を目安に、石けんをつけて爪の間や指の股(付け根)、手首など全体をしっかりと洗い、流水でよく洗い流すことがポイントです。洗い終わった後は、清潔なタオルやペーパータオルでよく拭き取って乾かしましょう。アルコール製剤で消毒するのも効果的です。

 また、せきやくしゃみなど飛沫からの感染を防止するための“咳エチケット”という言葉も広がっています。マスク着用の際には、鼻と口の両方をしっかり覆い、フィットするように調整しましょう。その他、こまめな部屋の換気なども予防のポイントです。

肺炎も予防接種で予防

 肺炎で亡くなる人の95%以上を高齢者が占めています。寒さが増す季節は、風邪などの合併症から肺炎を引き起こす人も多くなります。肺炎球菌予防接種を行うことで発症のリスクを抑え、重症化を予防します。

 熊本市では、平成26年から年度内に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる人を対象に成人用肺炎球菌予防接種の助成が行われています(65歳未満でも条件により対象者あり)。対象者は年度内(2019年3月31日まで)であれば、自己負担4,600円(生活保護または市民税非課税世帯の方は証明書類があれば無料)で予防接種が可能になります(一人一回限り、過去に同予防接種を受けた方は対象外)。

 対象者には、4月に「予防接種助成券」というハガキが送られています。ハガキと保険証など、対象であることの確認・証明ができるものを持参して指定医療機関で接種してください。

結核は早期発見・早期治療を

 結核とは、結核菌によって主に肺に炎症が起こる病気です。風邪と似ていますが、①せきが2週間以上続く②微熱・倦怠感が2週間以上続く、といった症状がある場合は結核の疑いがあります。今も国内で年間約2,000人が命を落としている感染症の一つです。近年、新たに結核患者として登録される人のうち、70歳以上の方の割合は約6割にものぼります。結核を発症しても初期段階ではあまり症状が現れず、気づかないうちに進行していることがあります。進行すると、せきやくしゃみから空気中に結核菌が飛散し、その結核菌を吸い込むことで周りの人に感染が広がります。

 結核は、早期発見・早期治療をすることが重要です。重症化を防ぐだけでなく、周囲への感染の拡大を防止することができます。定期健診では、胸部のレントゲン検査を受けることがおすすめです。また、運動や睡眠、食事など日ごろの健康管理で免疫力を落とさないことも予防に効果的です。

※記載している内容は熊本市の場合です(平成30年11月現在)。助成の内容は自治体によって異なるので、詳細についてはお住まいの自治体へご確認ください。

取 材 協 力

健康福祉局熊本市保健所
 感染症対策課

熊本市中央区大江5丁目1-1
 ウェルパルくまもと4F

☎096-364-3189